近年人気の高いフィンランド式サウナ、体験したことありますか?

フィンランド式サウナの特徴ともいえるのが、「ロウリュ」です。

「ロウリュ」とは、熱したサウナストーンに水をかけることで蒸気を発生させ、蒸気の熱でサウナをあたためるサウナ入浴方法です。

最近では、自宅用サウナバレルサウナ設置を検討する人も増えています。

そこで今回はロウリュにかかせないサウナストーンについて解説したいと思います。

サウナストーンには火成岩(香花石)や人工セラミックストーンなどが使われています。

それぞれの特徴や価格・正しい使い方・お手入れ方法までサウナストーンについてまとめています。

サウナストーンとは?

Finnish Sauna – Pouring water on the hot stones

フィンランド式サウナに欠かせないのが、サウナストーンです。

ストーブで熱したサウナストーンに水をかけることで、蒸気を発生させその熱を楽しみます。

つまりサウナストーンがなければフィンランド式サウナは作ることができません。

よく入浴施設に設置されているのは、遠赤外線を使用したドライサウナで、湿度が低いのが特徴です。

フィンランド式サウナは蒸気を発生させるため、湿度は高く保たれ、より発汗を促します。

乾燥していないので高い美容効果も期待できます。

サウナストーンの役割

サウナストーンには主に2つの役割があります。

一つ目は温度を保つことです。

石が高い熱を持つことで、サウナ内の空気がゆっくりとあたためられ、快適なサウナ空間となります。

二つ目は湿度の調整です。

水をかけずにサウナストーンを使用すると湿度はどんどん低くなってしまいます。

水をかけて湿度をあげることで、体感温度が高くなり発汗も促されます。

サウナストーンの必要条件

「熱く熱せられて、水で急速に冷やされる」という過酷な環境におかれるサウナストーン。

どういった特性が必要なのでしょうか。

それは、

  • 熱伝導率が高い
  • 熱を保持できる
  • 耐久性・耐熱性が高い
  • 有害物質を含まない

などが必須となります。

水をかけてすぐに冷たくなってしまうようでは、ロウリュで蒸気を発生させることができません。

耐久性・耐熱性が高くなければ、ロウリュをした際にすぐにボロボロに崩れてしまうでしょう。

有害物質を含まないというのも、非常に重要な条件となります。

ロウリュで蒸気を発生させた際に、一緒に吸い込んでしまう可能性があるからです。

一般の方には、これらの条件を満たしている石かどうかを見極めるのは難しいので、できればサウナ用として販売されているサウナストーンを使用した方が安全です。

サウナストーンに適した石の特徴

サウナストーンに適していわるといわれる石の特徴があります。

一般的に色が黒いほうがサウナストーンに向いていると言われています。

これは黒い色のほうが熱を吸収する成分が多く含まれていることが理由としてあげられます。

重さ

もう一つの特徴は重さです。厳密に言えば密度が重要となります。

密度の高い石であれば、熱を逃がしにくく多くの熱を保持してくれます。

また密度が低い石の場合には、内側の隙間に水が入り込むことで石が爆発してしまう可能性を秘めていてとても危険です。

孔(穴)

小さな孔が多くあるものは避けたほうが無難です。

内側に溜め込んだ熱が孔から逃げやすく、水をかけた時にも内側へ水が入り込んでしまいます。

サウナストーンに使用される石の種類

一般的に使用されているサウナストーンは主に2種類です。

それぞれの特徴・価格などを紹介します。

火成岩(花崗岩)

サウナストーンとして最も一般的なのが、火成岩です。

花崗岩ともよばれています。

フィンランド全土で採掘される石で、フィンランドのサウナでも古くから利用されてきました。

この石はマグマが冷え固まってできたもので、熱に強く高い熱伝導率と保温効果があります。

長い年月をかけて作られた石のため、密度が高く耐久性や耐熱性も高いのが特徴で、まさにサウナストーンにぴったりの石です。

火成岩は、火山岩・深成岩に分類されます。

火山岩は地表で急速に冷やされてできたもの、深成岩は地中でゆっくりと冷やされてできたものです。

深成岩のほうが密度が高く割れにくい性質を持っており、よりサウナストーンに向いている石と言えます。

大きさにもよりますが10kgあたり10,000〜20,000円ほどで販売されています。

セラミックストーン

https://iamsauna.stores.jp/items/620396dcbc44dc55872bcca5 [Iam Sauna STORE様より引用]

サウナ用に研究された人工のサウナストーンです。

大きさも使いやすいサイズに揃えられていて、扱いやすいのが特徴です。

急速に冷やしても壊れることが少なく、耐久性があり長く使うことができるため、入浴施設などでも採用されています。

メーカーやサイズにもよりますが、10kgあたり15,000〜30,000円程度で販売されています。

その他の代用品

ホームセンターで販売されているピンコロ石と呼ばれる石は、火成岩でできています。

サウナストーンとしての条件を満たす石なので、サウナストーンとして代用することは可能です。

サウナストーンの正しい使い方と注意点

正しい使い方で、サウナを存分に楽しみたいですよね。

セルフロウリュできる施設は少ないので、自分でロウリュしたことがないという人も少なくないのではないでしょうか。

ここでは正しいサウナストーンの使い方や注意点を紹介しています。

サウナストーンの使い方

まずはサウナストーンをストーブの上に積み上げます。

大きな石を下に、小さな石を上に積み上げ、空気が流れるスペースを確保するのが効率よくあたためるポイントです。

ストーンが十分に温まったらゆっくりと柄杓で水をかけます。

水蒸気があがり、熱をかんじることができます。

注意点

  • サウナストーンを使用する時に気をつけたいのが、火傷です。ストーブもサウナストーンも非常に高温になりますので、誤って触れてしまうことのないよう十分注意しましょう。耐熱の手袋を使用することも大切です。
  • サウナストーンで蒸発しなかった水が、ストーブまで到達すると故障の原因となります。サウナストーンが十分温まってからロウリュを行うように気をつけましょう。
  • 拾ってきた石を使うのは危険です。成分がわからないため、有害な成分が含まれている可能性があります。またロウリュによる急激な温度変化に耐えられず爆発するリスクもあり非常に危険です。

サウナストーンのお手入れ方法

サウナストーンは高い耐用性を持っていますが、使用している間にどうしても劣化し崩れてきます。

1年に1回程度、頻繁に利用する場合には300時間程度の使用では交換することが推奨されています。

使用後のお手入れとしては、サウナストーンをよく洗いし、十分に乾燥させておくことが必要です。

その際に、割れているものやヒビが入っているものがないかをあわせて確認しましょう。

まとめ

家庭用サウナやテントサウナが急速に普及し、多くの人がロウリュを楽しむようになりました。

サウナストーンを正しく選び、使用することで、より快適なサウナが楽しめます。

サウナストーンについてまとめると次の通りです。

  • サウナストーンはサウナ内の保温と湿度調整の役割がある
  • サウナストーンの種類は主に火成岩・セラミックストーンの2種類

価格は10kgあたり10,000円〜30,000円程度

  • サウナストーンとして使うためには、保温性・伝導率・耐用性・耐熱性などの条件を満たす必要がある
  • 劣化するので定期的に交換する必要がある
  • 使用後はよく洗い乾燥させておく

サウナストーンを選ぶのも、自宅サウナやテントサウナの楽しみの一つです。

自宅でサウナを楽しまれる方の中には、サウナ用でないものを利用されている方もいらっしゃいますが、安全面を考慮するとサウナ用の石を利用されることをおすすめします。

さまざまなサウナストーンを試してみて、見た目や熱の伝わり方など、お好みのサウナストーンを探してみてはいかがでしょうか。