サウーナで選択できるオプションの中に、『サーモウッド加工』というものがあります。
どういった加工なのか?について解説していきます。
サーモウッド加工とは?
サーモウッド加工とは、フィンランドで行われてきた木材の加工技術で木材を『耐久性を上昇させ見た目も良くする』効果があります。
日本では『熱処理』と呼ばれることもあり、化学物質などを使わず自然に優しくエコな加工です。
屋外で木材を使用した場合、劣化が気になりがちですがサーモウッド加工を施すことで耐久力がかなり上がるため屋外用サウナやウッドデッキなどに多用されています。
昨今は特にサウナブームということもあり、エコで効果の高いこの加工の注目が高まっています。
サーモウッド処理の工程について
サーモウッド加工を施すことで、耐久性が上昇するだけでなく木材の寸法変化などを起こさせない効果もあります。
木材は、湿度によって反りや膨張などを起こし変化してしまうというデメリットがあります。
サーモウッド加工は、熱処理加工によりこういった変化も抑えてくれます。
サーモウッド加工は、3段階の処理工程を行います。
- 乾燥
- 熱処理
- 冷却、調湿
乾燥工程
装置内を100度程度のスチームで満たし、木材の含水率がゼロにちかくなるまで乾燥させます。
熱処理工程
木材が乾燥したら、温度を上昇させ高い温度を保ったまま熱処理を施します。
冷却、調湿工程
水を浴びせて冷却し、加工が完了となります。
乾燥→熱処理→冷却を行うことで、無駄な水分(湿度)に木材が影響を受けることなく外的刺激(紫外線など)にも強くなるというわけですね。
また、サーモウッド加工により木材の色が濃くなり風合いも増すということがわかっています。
バレルサウナにサーモウッド加工をするメリット
バレルサウナにサーモウッド加工を施すことで、どういったメリットがあるのかを解説していきます。
サーモウッド加工を施すことで、いくつもメリットはありますがとても大きなものは以下のような点ですね。
- 耐腐朽性が高くなる
- 断熱性が高くなる
耐腐朽性が高くなる
木材は、高温多湿の状況で腐朽が非常に起こりやすいとされています。
府朽が起こりやすい条件の土中に埋設する試験を行った結果、熱処理を行った木材は何もしない木材と比較して非常に腐朽が進まないということが証明されました。
断熱性が高くなる
木材は、多くの細胞から出来ているため一つ一つの細胞中に空気が入っており熱を伝えにくい性質があります。
サーモウッド加工を行うことで、この細胞中の水分が減るため空気の層が増え、さらに断熱性が高くなります。
さらに、無駄な水分に影響を受けない分反りや曲がりが少なくなり加工もしやすくなります。
つまり、サーモウッド加工を行うことにより木材は『劣化しづらく、反り曲がりの少ない高耐久木材になる』という非常に大きなメリットがあるということです。
このサーモウッド加工は、化学物質を一切使用せず熱加工のみなので自然に優しいのも大きな特徴です。
サーモウッド加工の欠点・デメリットは?
逆に、サーモウッド加工の欠点やデメリットはあるのでしょうか?
- 費用がかかる
費用がかかる
サーモウッド加工の大きなデメリットは『費用がかかる』という点です。
木材に特別な処理を施すのですから、どうしても費用がかかるのは当然です。
ですが、長期間使用するために耐久性を高めることで、長い目で見た時にコスト面で大きい損をすることはないでしょう。
また、加工を行うためバレルサウナの納期が延びることがあります。
サーモウッド加工を導入したバレルサウナ施工事例
サウーナで施工したバレルサウナで、サーモウッド加工を導入した施工例があります。
海が見える非常に景観の良いところに設置されていますが、やはり海風が当たりますのでサーモウッド加工で耐久性を高めておくのがベストですね。
屋根材をアスファルトシングルにされていますので、紫外線からもとても強いサウナとなっています。
自然に囲まれた立地に設置され、日差しはあまり強くないものの強い湿度の変化が予想される場所です。
こういった場所には、サーモウッド加工が非常に適していて劣化しにくく長持ちしてくれます。
サーモウッド加工をした場合の耐久年数は?
サーモウッド加工を施すと、耐久年数は10年を超えると想定されます。
耐久年数については設置されている場所の天候や、状況によって大きく変化するため一概には言えませんがサーモウッド加工を行わない場合と比較すると必ず伸びます。
サーモウッド加工はバレルサウナ以外にもたくさん利用されています
サーモウッド加工を行った木材は、バレルサウナ以外にも多く利用されています。
よくみられるのは、ウッドデッキや一般の住宅などですね。
通常の木材と比較して、風合いが増しておしゃれな感じがすごくすることがわかりますね。
住宅だけでなく、ビルの外壁の一部に使用されることもあります。
こういった使用ですと、ビルの存在感が増すだけでなく温かみを感じられて企業イメージにも大きく左右しますね。